安楽椅子のモノローグ

完全なる頭でっかちを目指す

思想

死にゆく患者(ひと)と、どう話すか

日本人の死因第1位は「悪性新生物」である。端的に言えば、「がん」だ。日本人の2分の1は、「がん」に罹患し、3分の1は「がん」で死亡する。将来の見通しはさらに悲観的なもので、そのうち日本人の3分の2が「がん」に罹患し、2分の1が「がん」で死亡するなど…

中動態の世界 意志と責任の考古学ーあるいは音楽を聴くことについて

國分功一郎『中動態の世界 意志と責任の考古学』は刺激的でスリリングな書物である。こんなにおもしろい思想書を読んだのは久しぶりだった。能動態とも受動態とも違う態「中動態」、失われた態をめぐる言語的・哲学的・思想史的考察はまさに圧巻の一言である…

さまよえる自己―精神病理はどこへ向かうか

さまよえる自己―ポストモダンの精神病理 (筑摩選書) 作者: 内海健 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2012/05/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (7件) を見る 僕がこの本を読んだのは、かれこれ5、6年前になる。最近引っ…

勉強の哲学-来たるべきバカに、なれ

僕は一度大学を出た後、社会人を経験し、もう一度、別の大学に通った経歴を持っている。今の世の中そんな人はたいして珍しくはないだろう。1度目はそうでもなかったが、2度目は学部の性質もあって、周囲には僕と同じような経歴の人々が(編入学者も含めて)1…

はじめての英語史-問題を裏から考える

僕は高校生のとき,外国語系の学部に進学したいと思っていた時期があった.しかし,結局その道は断念してしまった.僕は当時あまりにも視野が狭かったために外国語を単なるコミュニケーションツールとしてしか捉えきれていなかったことが,その理由である(…

柄谷行人―まずはここからはじめよう

定本 日本近代文学の起源 (岩波現代文庫) 作者: 柄谷行人 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2008/10/16 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 37回 この商品を含むブログ (35件) を見る 柄谷行人の文体には魅力がある。僕が柄谷の著作を読み漁ったのは、何…