安楽椅子のモノローグ

完全なる頭でっかちを目指す

独物語―その1

 思いつくままに日々の雑感を書こうかと思い立ち、ブログを開設することにした.しかし、何でも自由に書こうとすると案外書けないというか,書くことがない.世の中には、単なる雑記であるにもかかわらず、深い洞察や思慮深い考察に富んだ文章を書ける人もいるが、どうやら僕はそうではないらしい.

 

 それでいろいろ考えたが、自分の人生を思い返してみると(そこまで長く生きてはいないが)今まである程度の数の本を読んできた.それで一体僕は何を感じたり、考えてきたりしたのかと自問自答してみたら,結構本にまつわる思いや感情は自然と湧き出てくることに気がついた.だから、自分のことを気ままに書くというよりも本に自らの思いを仮託する形でブログを書けば、うまく行くのではないかと思い至ったのである.

 

 当ブログでは,作家名や小説名などがタイトルになっていることが多いが,作家や小説を積極的に紹介するだけの内容ではない.その作家や作品を読んで,僕がどう感じたかとか,その本に関連するエピソードだとかも合わせて書いていく.ときには,ほとんど本とは直接には関係ない内容を書いたりもする.しかし,一見その本とは何の関係もない話のように思えても,そこに書かれている内容は間違いなくその本がなければ,僕が体験し得なかった出来事や感情である.自らの思いを本に仮託するとはそのようなことだ.

 

つまり,このブログは作家や本に手を貸してもらった自分語りである.

 

 こう書くと,作家とか本のことだけ書くように思われるかもしれないが,音楽とか漫画とドラマとかアニメとか,自由気ままに書くつもりである.

 

 最近,よく聞く音楽をひとつ.

BUNP OF CHICKEN 『ray』である.

  

 

 天性の詩人って本当にいるんだなあ、と思う.無論、藤原基央のことである.彼の言葉のもつ宇宙的感覚には脱帽する.

 

晴天とはほど遠い 終わらない暗闇にも

星を思い浮かべたなら すぐ銀河の中だ

 

 

「天上の星の輝きとわが心の内なる道徳律」並みの名言だと思う.

 

喪失の歌であるはずなのに,どうして聞いていてこんなにも心地よいのか.とても前向きで聞く人を明るい気持ちにさせる.なんて不思議な歌なんだろう.僕がこの歌をはじめて聞いたのは,発表されてずいぶん経った頃で,発表直後の熱気には乗り遅れてしまった.銀河系初OA直後に聞けなかったことは今でも悔やんでいる.リアルタイムでその熱気を分かち合いたかった.

 

光というのはBUNP OF CHICKENの楽曲のキーワードのひとつではないかと僕は思っている.