安楽椅子のモノローグ

完全なる頭でっかちを目指す

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

独物語-その2

ブログ上ではジャンル問わずでいろいろな本を読んでいるように見せかけているが(もちろんきちんと読んではいます)、実際には、僕が読む本はほとんどが生命科学にまつわるものである。だがそれは単なる職業上の問題であり、僕がことさら生命科学に拘泥して…

サクラダ・リセット-今世紀の奇跡あるいはスワンプマンの話

サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫) 作者: 河野裕,椎名優 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2009/05/30 メディア: 文庫 購入: 13人 クリック: 232回 この商品を含むブログ (169件) を見…

NO推理、NO探偵?-きっと残りページの問題

NO推理、NO探偵? (講談社ノベルス) 作者: 柾木政宗 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/09/22 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る メフィスト賞の作品はできる限りタイムリーに読むようにしている.受賞作品はどれも新奇な想像力と大胆…

はじめての英語史-問題を裏から考える

僕は高校生のとき,外国語系の学部に進学したいと思っていた時期があった.しかし,結局その道は断念してしまった.僕は当時あまりにも視野が狭かったために外国語を単なるコミュニケーションツールとしてしか捉えきれていなかったことが,その理由である(…

ワイアード、アフリカにいく

WIRED VOL.29/特集「African freestyle ワイアード、アフリカに行く」 作者: Condé Nast Japan (コンデナスト・ジャパン),WIRED編集部 出版社/メーカー: コンデナスト・ジャパン 発売日: 2017/09/11 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (1件) を見る WIRED…

ソラリス―秋の夜長に知的に打ちのめされる

SF

今週のお題「読書の秋」 ソラリス (ハヤカワ文庫SF) 作者: スタニスワフ・レム,岩郷重力,沼野充義 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2015/04/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る 巨匠スタニスワフ・レムの数ある著作の中でも,とりわ…

バッタを倒しにアフリカへ―漂流するムシキング

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書) 作者: 前野ウルド浩太郎 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2017/05/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (18件) を見る 各方面で話題になっている本であり,今さら僕が紹介するまでもないかもしれない.しかしそ…

中国行きのスロウ・ボート―埃さえ払えばまだ食べられる

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1997/04/01 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 43回 この商品を含むブログ (183件) を見る 小学校1年生のとき,同じクラスに中国人の男の子がいた.ある日の夕方…

独物語―その1

思いつくままに日々の雑感を書こうかと思い立ち、ブログを開設することにした.しかし、何でも自由に書こうとすると案外書けないというか,書くことがない.世の中には、単なる雑記であるにもかかわらず、深い洞察や思慮深い考察に富んだ文章を書ける人もい…

微分積分学―技法に凝ってはならない

微分積分学 作者: 齋藤正彦 出版社/メーカー: 東京図書 発売日: 2006/07 メディア: 単行本 クリック: 28回 この商品を含むブログ (3件) を見る 多くの理工系の大学生は、1年次に微分積分学と線形代数学の基礎を勉強する.本書は恐らく様々な大学で教科書もし…

霊山―誤配の愉悦

霊山 作者: 高行健,飯塚容 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2003/10/24 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (7件) を見る どうしても忘れられない本というのは,きっと多くの人が持っている.その人の人生観に大きな影響を与え…

ユービック―イオンはすべて陰性か?

SF

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314) 作者: フィリップ・K・ディック,浅倉久志 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1978/10/01 メディア: 文庫 購入: 14人 クリック: 175回 この商品を含むブログ (108件) を見る それは車.それはビール.それはインスタント・…

柄谷行人―まずはここからはじめよう

定本 日本近代文学の起源 (岩波現代文庫) 作者: 柄谷行人 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2008/10/16 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 37回 この商品を含むブログ (35件) を見る 柄谷行人の文体には魅力がある。僕が柄谷の著作を読み漁ったのは、何…